安心して、失敗する

小学生にパソコンを教える講座の話。その2。

プログラミングって、そもそも大人もよくわからない人が多いと思うのですが。
まぁ、いいのです。
知らなくても別に生きていく上では、まったく困らない。
ホント、まったく。びっくりするほど!
一言でいえば、パソコンに命令するためのルールのこと。
言葉と同じように、文法があって、単語があって、ルールに則って書いた文章を、パソコンに読んでもらうというもの。

で、パソコンとコミュニケーションを取る言葉なので。
パソコンは、融通がまったく利きません。
「ありがとう」を、「あちがとう」と言ったところで、人間ならある程度意味が通じます。
でも、パソコンは一文字違うだけで、しれっとエラーを返します。
ホント、悲しいくらいに。

今回の講座でも、数字が半角でなく全角になっていたたけでも、動かない。
そんな体験をした子ども達がたくさん。ほぼ全員。
そんなとき、「ついてないなー!」なんて言ってしまう子どももおりました。
でもね、私はこう言っちゃう。
「え!ラッキーじゃん!」
すると、子どもはびっくりした顔で、「どこがラッキーなの?!」って。

だってそうでしょ。
一人でやっている時にエラーが出たら、一人で困るだけ。
でも、講座の中なら仲間も先生もいる。
安心して、失敗してもいいんだよ。ってね。

そんな風に繰り返し失敗すると、失敗を修正する力がついてくる。
そうなったら、一人でも大丈夫。
失敗しても、やり直せるんだってあきらめない気持ちも、ついてくる。
むしろ、一人でも修正するぞ!ってプラスの力が湧いてくる。

講座が終わって、プログラミングに二度と触れない子どももたくさん。
でも、それでもオッケー。
少なくとも、小さな失敗に立ち向かう心持ちが経験できたからね。
一人で失敗しなくていいんだよ。
それを体感できたからね。

ゲームばかりはどうかと思うけれど。
やっぱり世界の広さを知るきっかけになるなら、必ずしも悪とは思わない。
寄り添う誰かの心がそこにあれば。ね。